交通事故で利用できる保険の種類
交通事故に遭った際、利用できる保険は主に3種類。
どんな保険が使えるのか、それぞれの内容を解説します。
自賠責保険
自賠責保険は、被害者側の負傷や死亡に対してのみ、支払われます。
加害者側への補償はなく、あくまでも相手をケガさせてしまったときのための保険。
負傷の場合は最高120万円、後遺障害の等級に応じて75万円~4,000万円、死亡時には最高3,000万円と定められています。
自賠責保険は強制加入となっているため、運転する全ての人が加入済みです。
しかし、自賠責保険の対象は最低限の金額となっており、それ以上の支払いが必要となった場合には、任意保険もしくは自費で賄う必要があります。
自賠責保険による限度額(被害者1名につき)
- 傷害による損害:120万円
後遺障害による損害
- 常時介護が必要な場合:4,000万円(第1級)
- 随時介護を要する場合:3,000万円(第2級)
- 上記以外の後遺障害:3,000万円(第1級)~75万円(第14級)
- 死亡による損害:3,000万円
保険の上限120万円を超える損害賠償を請求された場合は、任意保険に加入していれば超えた部分を補償してもらえるので、自己負担はありません。
しかし任意保険に未加入であれば、超えてしまった部分は全て自分で支払う必要があります。
任意保険
任意保険は、自賠責保険に加えて加入する保険。
加入するかどうかは、運転者自身が選べます。
任意保険は、保険の種類によってさまざまな補償が付帯しているのが特徴。
例えば、以下の補償を付帯させることができます。
- 対人賠償
- 対物賠償
- 搭乗者傷害
- 人身傷害補償
- 自損事故
- 無保険車傷害
- 車両保険
- 弁護士特約サービス
- ロードサービス
任意保険なら、補償金額を無制限に設定することも可能です。
しかし、20%以上の車が任意保険未加入で走っているのが実情。
自分のためにも相手のためにも、任意保険に加入しておくべきでしょう。
健康保険
一般的に健康保険を使う場合はご自身に過失がある交通事故の時です。
『第三者行為』手続きをすることで、健康保険を使うことができます。
その場合は、ご自身の加入している保険組合に連絡し手続きを行います。
第三者行為とは ?
交通事故など、第三者(加害者)の行為によりケガをした時に健康保険を使う場合、保険者(国保・協会・組合)への届出が義務づけられています。
本来、被害者に過失がない限り、加害者が医療費の全額を負担することになります。
保険証を使うことによって、窓口で支払う一部負担金以外の医療費(保険給付分)は、医療機関から保険者に請求される仕組み。
その場合、保険者(加入されている保険組合)が一度立て替え、後日加害者へ請求します。
※自損事故の場合は第三者行為ではありませんが、事故の内容を確認するため届出をする必要があります。
示談をする前に、各健康保険組合にご相談ください
健康保険を使う場合は、示談をする前に必ず届出をしてください。
被害者が加害者と示談をしてしまうと、請求すべき医療費を加害者あてに請求できなくなり、その結果として被害を受けた方が費用を負担することになります。
届出に必要なもの
- 対象者の被保険者証
- 印鑑(認印)
- 届出に来られる方の身分証明書
- 第三者行為による傷病届
- 交通事故の場合は、交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 同意書
※詳しい必要種類については、各保険組合に確認してください。
交通事故証明書のもらい方
交通事故に遭った場合、保険会社での手続きをスムーズに進めるため「交通事故証明書」の取得が必要となることもあります。
取得方法には、郵便局やゆうちょ銀行、自動車安全運転センター、インターネットがあります。
いずれの方法でも、交付手数料540円が必要です。
警察署や交番で「交通事故証明書申込用紙」を記入し、郵便局やゆうちょ銀行などで申請してください。